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2018.01.21

オゾン治療の効果:腫瘍・てんかん発作・ヘルニア

診断名:腹腔内腫瘍・てんかん発作・加齢による腰萎(腰椎椎間板ヘルニア?)

動物種:犬・ダックス

発症時年齢:16歳

名前:ルーキーくん

 

オゾンガス注腸時の写真です。

 

経過:

他院にて腎臓の腫瘍を指摘され治療中にもかかわらずケイレンをおこす様になった。手術をすすめられ、2次診療の受診を指示されたとの事。さらに3日前には右後肢挙上で別の他院を受診。消炎鎮痛剤の注射で改善したが、前日再び右後肢挙上し、その後起立不能となり痛がるとの事でセカンドオピニオンも含め当院へ相談に来られました。

 

 

 

【2016.11.4(初診)】体重:8.6kg

食欲はあるが、後肢起立不能となり痛がるとの事でした。

診察・検査の結果、疼痛部位不明で軽度のCP反応(神経の検査)の低下を認めた。さらに腹腔内腫瘤、高脂血症、腎性蛋白尿、急性炎症反応(CRP7以上)を認めた。

 

手術は考えていないとの事で対症療法として内科、薬物療法を実施した。治療は、カルトロフェン注射(週に1回を4週)と非ステロイド系消炎鎮痛剤(8日間)、持続型抗生剤(コンベニア注射)・サプリメント(アンチノール)を投与したところ、ふらつきながらも歩行可能となり、改善傾向を認めた。

 

2016.11.18以降、月1回のカルトロフェンの注射とサプリメントのみで経過を観察していた。

 

【2017.2.16(オゾン初日)】体重:8.8kg

前日の夕方3分程ふるえ、その後起立不能となった。20~30分後には左後肢を引きずりながらも起立補助してあげると少し歩けるようになった。

さらに本日、血尿を認めるとの事で来院。血尿及び前後肢CP反応の低下と左側顔面の神経麻痺を伴う、歩行異常であった。対症療法としての内科治療(非ステロイド系消炎鎮痛剤、止血剤、抗生剤など)に加え、オゾン療法(注腸法)を提案し、承諾、希望されたため、同日より実施した。オゾン療法の回数は週2回よりスタートした。

 

【2017.2.22】体重:—kg

オゾンガス注腸3回目(週2回のペース)

自力でトイレに行き肉眼的血尿も見られなくなったとの事でした。

 

【2017.3.8】体重:8.9kg

オゾンガス注腸7回目(週2回のペース)

元気、食欲、歩行状態も良好であった。

 

【2017.3.11】体重:9.0kg

オゾンガス注腸8回目(週2回のペース終了予定であったが、週1回のペースとした。)

元気、食欲はあるが前日に震えが2~3分あったとの事。

 

【2017.3.23】体重:8.6kg

前日から当日朝方までに2~3分継続するケイレン発作が5回あったとの事。

心疾患、代謝・炎症性疾患などを除外できたため、抗てんかん薬(コンセーブ)の投与を開始した。

オゾン注腸は週1回のペースで継続とした。

 

その後、発作もなく、元気、食欲もあり一般状態良好であった。時々ふらつくこともあるが歩行状態も良好であった為、オゾン注腸の間隔の延長を検討した。

 

【2017.5.11】体重:8.5kg

オゾン注腸を20日間隔とし、抗てんかん薬とサプリメントのみ継続とした。

 

【2017.7.10】体重:8.0kg

2日前より食欲不振となり、あまり動かないとのことで受診。

検査により(CRP:7.0以上)肺炎の併発と血尿も認めた。

血管確保し通院で昼間のみ持続点滴し、対症療法を2日間実施した。

一般状態の改善を認めず身体を支えて1メートル程歩くのがやっとであった。

 

【2017.7.12】体重:—kg

内科治療にオゾン大量自家血療法を追加したところ、本調子ではないが少しずつ食欲もでてきた。歩行困難に対しリハビリを指導、実施した。

 

【2017.8.2】体重:7.2kg

前日より歩行可能となり、食欲も普段の70%ぐらいに回復してきたとの事であった。血液検査によりCRPの低下(4.9mg/dl)も認め、持続型抗生剤(コンベニア)を投与し、皮下点滴・オゾン注腸を2~3週間に1回と指示し、抗てんかん薬を継続投与とした。

 

【2017.9.14】体重:7.7kg

一般状態良好で発作もなく、8月半ばよりしっかり歩けるようになったとの事で、そのまま皮下点滴とオゾン注腸を2~3週間に1回と抗てんかん薬を継続投与とした。

 

【2017.11.15】体重:7.5kg

歩行は可能であるが、自力での起立に苦労するとの事であったが、そのまま皮下点滴・オゾン注腸を2~3週間に1回と抗てんかん薬を継続投与とした。

 

 

【2017.12.25】体重:7.7kg

8日前にけいれん発作が1回おこったが、継続する事はなかったとの事でした。その後も3~4週に1回のオゾン注腸と皮下点滴、抗てんかん薬のみ継続投与とした。

 

 

今年(2018)のお正月には飼い主さんと一緒に箱根駅伝観戦のため、娘さんが居住する小田原まで新幹線で移動。

旅行中も大きなトラブルなく帰阪されました(^o^)

時々ふらつくものの自力での歩行可能で、来院された際には待合室内をトコトコお散歩されています。

一般状態も良好で6月の18歳のお誕生日を無事迎える事を目標に治療中です。

 

ガンバレ!!ルーキー(^^)/

 

 

 

———-以下、2018.9月追記しました。———-

 

【2018.2.27】体重:7.8kg

1/18発作を1回認めた。後肢(下半身)は少しずつ衰えてはいるものの一般状態良好で体重増加も認めた。月1回オゾン注腸皮下点滴抗てんかん薬のみ継続投与で経過観察中。腹腔内の腫瘤は無治療のままである。

 

 

【2018.6.28】体重:7.6kg

無事、18歳のお誕生日を迎えました!!

夜はしっかり寝てくれるとの事。認知症をわずらう事もなく、定期的なオゾン療法(注腸法)・皮下点滴・抗てんかん薬を継続投与しています。

 

 

【2018.9.18】体重:7.5kg

体重はほぼ維持しているが、寝ている時間が多く、待合室での歩行も少し短くなりました。 

 

引き続き、定期的なオゾン療法・皮下点滴・抗てんかん薬の継続で来年のお正月を目指しがんばってます!!

 

 

武藤ペットクリニック
院長:武藤 具弘